膝を伸ばすと痛いというのは、ほとんどの膝痛にみられる症状です。
なぜなら、膝の関節の機能は、しっかりと伸びなくなるところから悪くなっていくからです。
ですから、伸ばすと痛い膝痛は、なるべく早期に解決する必要があります。
この記事では、伸ばすと痛い膝痛の原因と対処法をご説明します。
伸ばすと痛い膝痛の原因と対処法
伸ばすと痛い膝痛の原因
膝を伸ばすと痛い時には、膝を伸ばす機能に問題が起こっています。
筋肉の滑走障害
膝を伸ばす時に筋肉同士が上手く滑るように動かない(滑走障害)と、膝を伸ばした時に痛むことがあります。
膝を伸ばした時の痛みに関係する筋肉は、ハムストリング・腓腹筋・膝窩筋・薄筋・縫工筋・腸脛靭帯(大腿筋膜張筋)などです。
こういった筋肉同士の動きが障害されることで、膝がしっかりと伸びなくなります。
神経の滑走障害
膝の裏には坐骨神経(脛骨神経)が通っています。
膝を伸ばした時に、この神経が上手く動かないと、膝がしっかりと伸びず痛むことがあります。
神経は様々な組織の間を縫うように走行しているため、他の組織との滑走が上手くいかなくなることがあります。
膝蓋下脂肪体
膝蓋下脂肪体というのは、膝のお皿の下にある組織です。
この膝蓋下脂肪体は、膝を曲げる時の膝痛の原因にもなりますが、膝を伸ばした時の膝痛の原因にもなります。
膝蓋下脂肪体に関しましてはこちら
膝蓋上嚢と大腿骨前脂肪体
膝蓋上嚢と大腿骨前脂肪体は、膝のお皿の上にある組織です。
この組織も膝蓋下脂肪体と同様、膝を曲げる時の痛みの原因にもなりますが、膝を伸ばす時の痛みの原因にもなります。
膝蓋上嚢と大腿骨前脂肪体についてはこちら
ヒザ裏の関節包
関節包というのは、関節を包む膜です。
この関節包は筋肉や神経の下にあり、関節包が硬くなることで膝が伸びなくなります。
膝を伸ばす機能に関係する組織の中で、一番深いところにあるため、膝をしっかりと伸ばすには、一番重要であると言えます。
伸ばすと痛い膝痛の対処法
整体での対処法
伸ばすと痛い膝痛の整体での対処法は、膝を伸ばす機能を回復させることをします。
・筋肉の滑走障害
・神経の滑走障害
・膝蓋下脂肪体
・膝蓋上嚢、大腿骨前脂肪体
・ヒザ裏関節包
こういった膝を伸ばす機能に関係する組織を回復させます。
セルフケアの方法
セルフケアの方法としては、基本的には膝を伸ばすストレッチが有効なのですが、痛みがある場合には逆効果になるために注意が必要です。
大切なのは、問題となっている体の組織や機能をハッキリさせることです。
その上で、問題となっている組織や機能を改善させるためのセルフケアを行う必要があります。
そのためには、一度リハビリや整体、整骨院などで体の状態を確認してもらい、その上で提案されたセルフケアを行うほうが安全で効果的です。
膝の機能は、伸びなくなるところから問題が起こります。
痛みがなく特に問題を感じていない方でも、膝を診させて頂くとしっかりと伸びなくなっています。
そして、その状態で年月を重ねると、さらに膝が伸びなくなっていきます。
ですから、なるべく早い段階で膝をしっかりと伸ばしておくことが大切です。
また、膝が伸びないというのは、膝だけの問題だけにとどまらず、足首・股関節・腰・背骨にまで影響を及ぼします。
なぜかというと、膝が伸びないと腰も伸びないという関係性にあるからです。
そして、膝が伸びないと、その分足首や股関節に負担がかかります。
このように、膝をしっかり伸びるようにしておくことは、膝だけではなく、体の全体的な状態にも影響するため、気をつけてなるべく膝の機能を良い状態にしておくことが大切です。