四十肩・五十肩の方の中には、腕にまで痛みやだるさが出る方がいらっしゃいます。
この腕の痛みやだるさは、四十肩・五十肩と関係していて、しっかりと対処することで、四十肩・五十肩の改善にもつながります。
この記事では、四十肩・五十肩で腕が痛い・だるい時の原因と、整体での対処法をご説明します。
四十肩・五十肩で腕が痛い・だるい時の原因
四十肩・五十肩というのは、通称で実は多くの病態があります。
四十肩・五十肩の病態についてはこちら
そうした中で、腕にまで痛みやだるさが出る場合には、首から指先にかけてのどこかで、神経・血管が圧迫やけん引(引っ張られている)されている可能性があります。
神経・血管というのは、圧迫されたり引っ張られたりすることで、痛み・だるさ・しびれなどの原因になります。
神経の圧迫・けん引
四十肩・五十肩の時には、首や胸や脇の下の筋肉の緊張が強くなります。
また、四十肩・五十肩の時には、肩が強く巻き込みために、胸の前やわきの下の神経の通り道が狭くなります。
その時に、筋肉の間を通っている神経を圧迫したり、引っ張ったりすることがあります。
すると、肩の痛みだけでなくて、腕に痛みやだるさが出ることがあります。
この症状を胸郭出口症候群と言います。
また、上腕二頭筋(力こぶの筋肉)や肘の関節にも硬さや動きの悪さがあると、肘より先にも痛みやしびれが出ることがあります。
血管の圧迫による血流不足
四十肩・五十肩の時には、肩の巻き込みが強くなるため、鎖骨の下や脇の下にある血管を圧迫してしまうことがあります。
鎖骨の下や脇の下には、腕に行く太い血管が通っています。
血管が圧迫されることで、腕の血流が悪くなると、痛みやだるさが出ることがあります。
血流が悪くなると痛みやだるさが出るんですか?
はいそうです。
誰でも一度は、朝起きた時に自分の腕を枕替わりにしていて、腕がしびれたり、だるくなっていた経験があると思います。
人間の体は、血流が悪くなり酸素不足になると、痛みやだるさといったサインが出るようになっています。
四十肩・五十肩で腕が痛い・だるい時の整体での対処法
四十肩・五十肩で腕が痛い・だるい時の整体での対処法をご説明します。
四十肩・五十肩に対する整体での対処法はこちら
筋肉の緊張を緩和する
腕の痛みやしびれの原因になっている筋肉の緊張を緩和します。
特に、首の斜角筋、胸の小胸筋、わきの下の広背筋・大円筋、腕の上腕二頭筋・上腕筋などの筋肉に対してアプローチします。
筋肉の緊張が緩和することで、神経・血管への圧迫やけん引が緩みます。
筋肉がゆるむと、腕の痛みやだるさが解消されるんですか?
はい、解消されます。
神経や血管というのは、筋肉の間をすり抜けるようにして通っています。
筋肉が緊張すると、その通り道が狭くなって、神経や血管を圧迫したり、引っ張ったりします。
ですから、筋肉の緊張がゆるむと、神経や血管の通り道が広がって、神経や血管への圧迫やけん引がゆるみ、腕の痛みやだるさが解消されます。
肩関節のズレを矯正する
四十肩・五十肩では、肩の関節が前にズレます。
四十肩・五十肩の人は、猫背の状態で体が固まっていて、巻き肩の状態になっています。
この状態で、生活していると、肩の関節が段々前にズレてきてしまいます。
肩の関節の前へのズレを矯正することで、筋肉の緊張も緩み、巻き肩が解消されて、腕の痛みやだるさが改善されます。
神経・血管の圧迫けん引を解消する
筋肉の緊張を緩め、肩の関節のズレを矯正した後は、神経や血管自体を調整します。
神経や血管というのは、体の表面に出てきている部分があります。
その部分では、体表から触ることが出来るので、調整が出来ます。
神経や血管は、筋肉などの組織の間を滑るようにして動くのですが、状態が悪くなると、組織にくっついた状態になり、滑る動きが制限されます。
滑る動きが制限された神経や血管は、姿勢や動きによって負担がかかるようになります。
整体での神経・血管の調整では、組織にくっついてしまった神経・血管を開放して、組織間を上手く動けるようにします。
神経・血管は、胸の小胸筋の下や脇の下で、障害されることが多く、この部分の調整を行います。
また、指先や前腕部の神経に対しても、調整を行います。
〇腕の痛みやだるさのある四十肩・五十肩は放っておかない方が良い
「四十肩・五十肩は放っておいても良くなる」といったことが言われます。
ですが、放っておいても良くなる四十肩・五十肩は極一部で、ほとんどは適切な対処が必要です。
特に、腕の痛みやだるさの伴う四十肩・五十肩は、放っておかない方が良いです。
何故かと言えば、神経や血管が障害されている可能性があるからです。
神経や血管の障害は、長期間続くと、筋肉の機能に影響が出てきます。
ですから、四十肩・五十肩の時に、腕の痛みやだるさを伴う場合には、放っておかずに、適切に対処しましょう。
四十肩・五十肩の適切な対処方法はこちら
四十肩・五十肩腕が痛い・だるいまとめ
〇四十肩・五十肩の時の腕の痛み・だるさの原因
・四十肩・五十肩の時の腕の痛み・だるさは、神経・血管の圧迫やけん引が原因
〇四十肩・五十肩の時の腕の痛み・だるさの対処法
・筋肉の緊張を緩めることで、神経や血管が上手く動けるようにする
・肩の関節のズレを矯正することで、巻き肩を解消する
・神経・血管が、他の組織にくっつき、動けなくなっている状態を開放する