腱鞘炎やばね指になった時には、整形外科に行った方が良いのか、整体院や整骨院に行った方が良いのか迷います。
しっかりと腱鞘炎やばね指を改善していくためには、状態に適した場所に行くことが大切です。
・腱鞘炎やばね指とはどんな症状なのか?
・整形外科に行った方が良い時
・整体や整骨院に行った方が良い時
腱鞘炎・ばね指とは
腱鞘炎というのは、腱を包んでいる腱鞘に炎症が起こっている状態のことを言います。
腱鞘はトンネル状になっていて、その中を手や指の腱が通ります。
手や指の使いすぎると、腱鞘に炎症が起こることがあります。
腱鞘に炎症が起こった状態が腱鞘炎です。
手首の親指側に起こる腱鞘炎を、ド・ケルバン病(狭窄性腱鞘炎)、手指の付け根に起こる腱鞘炎をばね指と言います。
手首の小指側に腱鞘炎が起こることもあります。
ばね指は、中指・親指・薬指に起こりやすいです。
ばね指というのは、手指の付け根に腱鞘炎が起こり、腱がスムーズに通れなくなってしまった症状です。
指が曲がったまま伸ばせなくなり、力をいれると、ばねのようにバチンと急に伸びる状態になります。
まずはじめに行くべきなのは整形外科
腱鞘炎やばね指が疑われる状態になった時には、まず整形外科に行った方が良いです。
なぜ、まずは整形外科に行った方が良いんですか?
なぜかというと、炎症の有無や、病態を正確に把握する必要があるからです。
逆に言えば、整体や整骨院では炎症の有無や、病態を正確に把握することができないからです。
①炎症に対する治療は整体や整骨院ではできず、整形外科で行う必要があるから
②整形外科で本当に腱鞘炎やばね指なのかをハッキリさせる必要があるから(その他の疾患である場合もあるから)。
また、炎症が強い場合には、なるべく早く炎症を抑える治療を行う必要があります。
腱鞘炎やばね指は、炎症が長引けば長引くほど経過が悪くなるため、早期に整形外科で炎症を抑える治療を受けることが大切です。
〇炎症が強い時の兆候
・急に痛くなった時
・痛みが強い時
・腫れている時
・こわばった感じや動かし辛い感じがある時
整体院・整骨院に行った方がよい場合
整体院や整骨院に行った方が良い場合は、機能障害が主体の腱鞘炎やばね指の場合です。
機能障害ってどういうことですか?
機能障害というのは、整体院や整骨院の観点で病態を観察した時の体の異常のことです。
整形外科と整体院・整骨院では、病態の把握の仕方が違います。
整形外科では病態をレントゲンやMRIなどの画像診断や、血液検査等によって行います。
一方で、整体院・整骨院では、関節の動きや筋肉の状態や体のバランスによって病態把握を行います。
整体院や整骨院では、関節の動きや筋肉や神経の状態を徒手検査で把握します。
その際に、関節の動きが悪かったり、筋肉が硬くなっていたり、腱の位置がズレていたりといった、体の機能の異常が見つかります。
その異常のことを機能障害といい、整形外科では見つけられない体の異常になります。
整形外科と整体院・整骨院では、見つけられる体の異常が違うんですね。
はい、ですから整形外科に行った方が良い場合と整体院・整骨院に行った方が良い場合があります。
より緊急性が高い病態を見つけられるのが整形外科なので、まずは整形外科に行く必要があります。
整形外科では異常が見つからない場合や、経過観察を提案された時は、機能障害が原因になっている可能性が高いです。
また、整形外科に通っていても経過が悪い場合にも、機能障害が原因になっていることがあります。
まずは整形外科に行き、そのあとで経過が悪い場合に、整体院や整骨院に行くという順番が大切です。
腱鞘炎Q&A
- ずっと病院に通っているのですが腱鞘炎・ばね指が良くなりません
-
病院で腱鞘炎が良くなっていかない場合には、機能障害が原因であることが多いです。
そういった時には、一度整体院や整骨院に行き、機能障害を改善する施術を受けてみることをお勧めします。
- 整体院や整骨院に通っているのですが腱鞘炎・ばね指が良くなりません
-
整体院や整骨院に通っていても、腱鞘炎が良くならない場合には、炎症や組織の変化が主体の腱鞘炎である場合か、整体院や整骨院の施術が適切ではない場合があります。
病院に行っていないのであれば、一度整形外科に行くことをお勧めします。
整体院や整骨院の施術が適切でない場合というのは、局所的に施術を行っている場合です。
腱鞘炎というのは、全身の機能障害が原因になっています。
ですから、骨盤~背骨、上肢下肢、首に至るまで、全ての機能障害を改善する必要があります。
- 病院に通いながら、整体院や整骨院に通っても良いんですか?
-
腱鞘炎は、実際には炎症・組織の変化と機能障害が同時に起こっています。
ですから、可能であれば、病院に通いながら、整体院や整骨院に通った方が良いです。
- 数年間腱鞘炎が良くならないのですが
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腱鞘炎に悩まれている方の中には、数年間改善しなかったり、一度良くなっても再発を繰り返す方がいらっしゃます。
そういった方の腱鞘炎は、重症で手術が必要な方もいらっしゃいますが、全身の機能障害が原因であることが多いです。
全身の機能障害が原因である場合には、改善するのにも時間がかかりますが、一つ一つの機能障害を着実に改善していくことで、腱鞘炎も改善していきます。
- 産後の育児で腱鞘炎になってしまったのですが
-
産後の育児での腱鞘炎は、なるべく早い段階で病院に行くことをお勧めします。
育児をしながらですと、病院に行くことも難しい場合がありますが、腱鞘炎を悪化させないことが大切ですので、なるべく早く病院に行きましょう。
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