腱鞘炎になった時には、整形外科に行った方が良いのか、整体院や整骨院に行った方が良いのか迷います。
ですが、しっかりと腱鞘炎を改善していくためには、自分の腱鞘炎の状態に適した場所に行くことが大切です。

この記事では、腱鞘炎がどういった状態の時に、どこに行った方が良いのかをご説明します。
腱鞘炎とは
腱鞘炎というのは、腱を包んでいる腱鞘に炎症が起こっている状態のことを言います。
腱というのは、筋肉が骨にくっつく前に、硬い組織になっている部分のこと(アキレス腱等)です。
そして、腱は腱鞘(刀における鞘のようなもの)と呼ばれる組織に包まれています。
腱は腱鞘の中を滑るように動きます。
ですが、何らかの原因で腱と腱鞘との間に摩擦が起こるようになると、腱鞘に炎症が起こり、腱鞘炎になります。
腱鞘炎は特に、手首や手指の付け根の部分で起こりやすいです。
手首の親指側に起こる腱鞘炎を、ド・ケルバン病(狭窄性腱鞘炎)、手指の付け根に起こる腱鞘炎をばね指と言います。



手首の小指側に腱鞘炎が起こることもあります。
ばね指は、中指・親指・薬指に起こりやすいです。
炎症や組織の変化がある場合には整形外科
整形外科に行った方が良い腱鞘炎は、炎症や組織の変化が起こっている場合です。



炎症や組織の変化が疑われる場合には、まずは整体院や整骨院ではなくて、整形外科に行きましょう。
炎症や組織の変化が起こっていると疑われる時には、整形外科で検査・診断が必要です。
そして、投薬や注射、重症であれば手術などが必要になります。
〇どんな時に炎症や組織の変化が疑われるのか?
・急に痛くなった時
・痛みが強い時
・腫れている時
・こわばった感じや動かし辛い感じがある時
機能障害であれば整体院・整骨院
整形外科ではなくて、整体院や整骨院に行った方が良い場合は、機能障害が主体の腱鞘炎です。



機能障害というのは、炎症が主体の病態ではなくて、筋肉が硬くなっていたり、関節の動きや神経の伝達が悪くなっていたりといった体の機能が悪くなっていることが原因の病態です。
体の機能が悪くなっていることが原因の腱鞘炎であれば、整体院や整骨院で改善することが出来ます。



どんな状態の腱鞘炎が、機能障害の腱鞘炎なんですか?



自分の腱鞘炎が、炎症が主体なのか?機能障害が主体なのかを判断することは難しいです。
ですから、まずは整形外科に行くことをお勧めします。
整形外科で注射などを提案される場合には、炎症が強く起こっていると考えられます。
一方で、保存療法(経過観察)を提案される場合には、機能障害が主体であることが多いです。



自分で判断するのではなくて、まずは整形外科に行って診察してもらうのが良いんですね。
腱鞘炎Q&A
- ずっと病院に通っているのですが腱鞘炎が良くなりません
-
病院で腱鞘炎が良くなっていかない場合には、機能障害が原因であることが多いです。
そういった時には、一度整体院や整骨院に行き、機能障害を改善する施術を受けてみることをお勧めします。
- 整体院や整骨院に通っているのですが腱鞘炎が良くなりません
-
整体院や整骨院に通っていても、腱鞘炎が良くならない場合には、炎症や組織の変化が主体の腱鞘炎である場合か、整体院や整骨院の施術が適切ではない場合があります。
病院に行っていないのであれば、一度整形外科に行くことをお勧めします。
整体院や整骨院の施術が適切でない場合というのは、局所的に施術を行っている場合です。
腱鞘炎というのは、全身の機能障害が原因になっています。
ですから、骨盤~背骨、上肢下肢、首に至るまで、全ての機能障害を改善する必要があります。
- 病院に通いながら、整体院や整骨院に通っても良いんですか?
-
腱鞘炎は、実際には炎症・組織の変化と機能障害が同時に起こっています。
ですから、可能であれば、病院に通いながら、整体院や整骨院に通った方が良いです。
- 数年間腱鞘炎が良くならないのですが
-
腱鞘炎に悩まれている方の中には、数年間改善しなかったり、一度良くなっても再発を繰り返す方がいらっしゃます。
そういった方の腱鞘炎は、重症で手術が必要な方もいらっしゃいますが、全身の機能障害が原因であることが多いです。
全身の機能障害が原因である場合には、改善するのにも時間がかかりますが、一つ一つの機能障害を着実に改善していくことで、腱鞘炎も改善していきます。
- 産後の育児で腱鞘炎になってしまったのですが
-
産後の育児での腱鞘炎は、なるべく早い段階で病院に行くことをお勧めします。
育児をしながらですと、病院に行くことも難しい場合がありますが、腱鞘炎を悪化させないことが大切ですので、なるべく早く病院に行きましょう。
産後の腱鞘炎に関しましてはこちらの記事をご覧ください
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