膝の痛みには、痛む部分がいくつかあります。
その中でも、膝の内側の痛みを訴える方は多いです。
この記事では、膝の内側の痛みの原因を整体の観点からご説明します。
膝の内側の痛みの原因
整体の観点から考えると、膝の内側の痛みの原因は、
・膝自体に原因がある場合
・足首に原因がある場合
・股関節に原因がある場合
・仙腸関節に原因がある場合
が考えられます。
膝自体に原因がある場合
①靭帯や半月板の損傷
膝自体に原因がある場合には、内側側副靭帯や内側半月板が損傷していることがあります。
靭帯や半月板の損傷は、病院で検査・治療が必要になります。
靭帯はスポーツや事故などの過度の外力によって損傷することが多いです。
半月板は、スポーツや運動で損傷することもありますが、加齢による変形性関節症によって、損傷することもあります。
半月板というのは、膝の骨と骨の間にあるクッションの役割をする組織です。
半月板は、膝にかかるショックを軽減したり、関節を安定させたりします。
よく加齢によって膝の軟骨がすり減るといわれますが、半月板は膝の軟骨のすり減らないようにする役割もあります。
ですから、膝を過度に使用したり、関節の位置が不安定な状態で使い続けると、半月板が痛み、その結果膝の軟骨がすり減ってきます。
半月板を痛めないためには、膝の関節の位置を正しく保つことが大切です。
②神経の締め付けや牽引ストレス
膝の内側には、伏在神経膝蓋枝という神経が分布しています。
この神経が、締め付けられたり、過度に引っ張られることで、膝の内側が痛むことがあります。
伏在神経膝蓋枝は腰から腿の前を通って膝の内側に分布するため、腰や仙腸関節、股関節、腿の筋肉などに機能障害があると、神経の締め付けや牽引のストレスがかかり、膝の内側が痛みます。
③脂肪体
膝のお皿の下には膝蓋下脂肪体という脂肪体があります。
この脂肪体が、お皿と膝の骨の間で挟まることがあり、その時に痛みを感じます。
痛みを解決するためには、脂肪体を正しい位置に納める必要があります。
④筋肉の滑走障害
筋肉は、体の中を滑るように動いています。
ですが、様々な原因によって、筋肉が上手く動けなくなる状態を、筋肉の滑走障害といいます。
膝の内側の筋肉の滑走障害は、縫工筋・薄筋・半腱様筋によって起こります。
この三つの筋肉の腱は、膝の内側の骨にくっつき、その部分を鵞足と言います。
筋肉の滑走障害によって、鵞足に負担がかかると、鵞足炎という滑液包の炎症が起こり、膝の内側が痛むことがあります。
足首に原因がある場合
膝は、足首の影響を受けます。
足首の動きが悪いと、膝に不自然な力がかかり膝の内側が痛むことがあります。
また、足首の向きや、かかとの骨の向きが傾くことで、膝にねじれる力が加わり、膝の内側が痛むこともあります。
股関節に原因がある場合
膝は、足首だけでなく、股関節の影響も大きく受けます。
膝の内側が痛む場合には、股関節が過度に内旋(内側に回る)していることが多く、その影響で、膝の内側に過度のストレスがかかります。
仙腸関節に原因がある場合
仙腸関節というのは、骨盤にある関節です。
この仙腸関節は、股関節の動きに直接的に影響し、股関節の動きを通して膝に影響します。
仙腸関節が股関節を曲げる方向に動かなくなると、股関節が過度に内旋し、膝の内側が痛むことがあります。
なぜ膝の内側に痛みが出やすいのか?
膝の内側の痛みの原因をご説明してきましたが、ではなぜ膝の内側に痛みが出やすいのでしょうか?
整体の観点から考えると、軸足側の膝の内側に痛みが出やすい傾向があります。
多くの人は左側が軸足で、右側が利き足になっています。
軸足というのは、支えて安定させる役割があるために、軸足側に過重した時に、体を中心軸に寄せます。
その時に、膝の内側に負担がかかってきます。
逆に利き足は、膝の外側に負担がかかる傾向があります。
膝の内側に痛みが出ている時には、軸足への荷重という機能に異常があることが多いです。
整体では、軸足への荷重がスムーズに出来るように、骨盤・脊柱・股関節・膝関節・足関節を調整します。
こちらの記事で膝の痛みの原因をご説明しています。
こちらの記事では、膝の痛みの原因を、「怪我や外傷の時」・「スポーツや運動時」・「原因不明の時」・「変形性膝関節症の時」に分けて、ご説明しています。