膝の痛みは、若い方からご高齢の方まで、悩まれる症状です。
ですが、なぜ膝が痛くなるのか?という原因が分からず困っている方も多いです。
この記事では、整体の観点から考察した膝の痛みの原因について、ご説明します。
膝の痛みの原因~整体の観点からの考察~
膝の痛みの原因は沢山考えられます。
今回は、「怪我や外傷の時」・「スポーツや運動時」・「原因不明の時」・「変形性膝関節症の時」に分けて、ご説明します。
〇西洋医学的な観点と整体的な観点の違い
西洋医学では、目に見える異常や数値の異常から、症状の原因を見つけます。
ですから、レントゲン・エコー・MRIや血液検査などを行います。
一方で、整体では、筋肉の硬さや関節の動き、姿勢や全身の動きなどをみて、症状の原因を見つけます。
この違いはどこにあるのかというと、整体では体の機能の異常をみていて、西洋医学では目に見える異常や数値として確かめられる異常を見ているということです。
整体で見ている体の機能の異常というのは、西洋医学ではみていない異常なので、病院では異常がないといわれる症状でも、整体では異常があるとわかる症状があります。
また、西洋医学で異常があると分かり、原因がハッキリした症状は、整体では対処することが出来ない症状であることが多いです。
このように、西洋医学的な視点と整体的な視点では、みている状態が異なるため、それぞれの視点を補いあう関係にあります。
怪我や外傷が原因の膝の痛み
怪我や外傷の場合には、膝に過度の負担がかかり、膝の組織を損傷します。
膝の組織には、靭帯や半月板(軟骨)があり、怪我や外傷の場合には、こういった組織を損傷します。
半月板損傷・前十字靭帯損傷・後十字靭帯損傷・内側側副靭帯損傷・外側側副靭帯損傷など
スポーツや運動での膝の痛みの原因
スポーツや運動では、膝に痛みが出ることが多いです。
ランナー膝・ジャンパー膝・鵞足炎・オスグッドなど
理由としては、「膝は負担のかかりやす場所だから」と言われますが、整体の観点から考えると、少し違います。
スポーツや運動をしても、膝に痛みがない方も沢山いますので、膝が元々の構造として、負担がかかりやすい場所ということはないと思います。
確かに、膝が痛くなる人と痛くならない人がいますね。
その違いはどこにあるんでしょうか?
整体の観点からいうと、膝というのは、他の関節の影響を受けやすい場所と言えます。
特に、骨盤の仙腸関節・股関節・足関節の影響を受けやすいです。
影響を受けるというのは、他の関節の動きが悪いと、その分を膝が頑張って動いて負担がかかるということです。
例えば、足首が真っすぐ曲がらなくなっていると、膝の外側に負担がかかったり、仙腸関節の動きが悪いと、膝が伸びなかったりします。
ですから、怪我や外傷でなければ、膝の痛みの原因は他の関節の動きが悪いことにあります。
スポーツ障害についてはこちらでご説明しています。
〇スポーツや運動で膝が痛くなる人はどこが悪い?
スポーツや運動で、膝が痛くなってしまう人は、膝の関節にねじれる刺激が加わっています。
ねじれる刺激というのは、足から股関節へ、そして股関節から足への力が真っすぐ伝わらずに、膝で力を受け止めてしまう刺激です。
膝というのは、力を受け止める関節ではなくて、足から股関節へ、股関節から足へと力を伝える関節です。
ですが、足関節や股関節や仙腸関節の動きが悪いと、膝で力が止まってしまって、膝で力を受け止めてしまいます。
この状態が続くと、膝に痛みが出てきます。
変形性膝関節症の原因
変形性膝関節症というのは、膝の軟骨がすり減り、骨棘と呼ばれる骨の出っ張りが出来てしまう症状です。
骨棘によって、関節面がデコボコになったり、軟骨がすり減ることでクッション機能が低下して、滑膜と呼ばれる関節の組織に炎症が起こったりします。
変形性膝関節症の原因としては、加齢や体重の増加等と言われていますが、ご高齢の方でも膝が痛くない人は沢山いますし、体重が100㎏以上あっても膝に異常がない人も沢山います。
もちろん、生活習慣や加齢、体重、骨密度などは、変形性膝関節症に関係はしていますが、主原因ではありません。
整体の観点から考えると、膝の軟骨がすり減り、骨棘が出来てしまう原因は、膝の骨が傾き、関節の面が均一でなくなってしまうことにあります。
膝の関節はしっかりと機能していれば、構造的には、変形性膝関節症の方ほど、軟骨がすり減ることはないと考えられます。
ですが、膝の骨が傾き、関節の面が均一でなくなると、膝の一部分に過度に負担がかかるようになります。
この負担が、軟骨をすり減らすと考えられます。
ですから、整体的には、変形性膝関節症の方に対しては、なるべく関節の面が均一になるように調整を行います。
原因不明といわれている膝の痛みの原因
膝痛の中には、スポーツや運動をしていない方や、レントゲンをとっても変形がみられず、原因不明といわれてしまう方もいらっしゃいます。
ですが、整体の観点から考えると、膝に分布する伏在神経と呼ばれる神経の問題、膝のお皿にある膝蓋下脂肪体の問題、膝の裏の膝窩筋の問題、関節包の硬さの問題、半月板のズレの問題、大腿四頭筋の硬さの問題などなど多くの問題が考えられます。
整形外科では、画像での異常、検査での数値の異常がみられないものは、原因不明ということになります。
ですが、整体では体の機能の異常をみますので、整体的には異常が発見出来ることがあります。
一方で、整形外科で異常が発見できる状態は、整体では対処が出来ない膝の痛みであることが多いです。
西洋医学と整体では、みている観点が違うから、改善が出来る状態が違うんですね。
膝の痛み原因まとめ
〇整体的な観点における膝の痛みの原因
・仙腸関節、股関節、足関節の動きの悪さ
・膝の骨の傾き
・その他、様々な体の機能の異常