四十肩・五十肩の時には、肩だけでなく二の腕の辺りが痛むことがあります。

五十肩が原因で二の腕の辺りが痛くなるんですか?



はい、五十肩の方で二の腕辺りの痛みやしびれを訴える方はおおいです。
この記事では、四十肩・五十肩の時の二の腕の痛みの原因についてご説明します。
この記事は、千葉県千葉市のいまい整体院院長が書いています。
私は、鍼灸師・マッサージ師の資格を持っていて、今は整体師として五十肩に関わっています。
四十肩・五十肩で二の腕が痛い時の原因とは?
まずは、五十肩自体の痛みと二の腕の痛み・しびれの違いをご説明します。
五十肩自体の痛み
五十肩自体の痛みは、炎症による痛みがほとんどです。
また、五十肩の後期になってくると、関節拘縮によって関節が上手く動かないことによる動作痛が出てきます。
〇四十肩・五十肩の後期は肩の後ろが痛くなってくる
四十肩・五十肩というのは、初期の頃は肩の前側や上側が痛くなります。
肩の前側や上側が痛くなるのは、炎症を起こしやすい組織が肩の前側や上側にあるからです。
そして、四十肩・五十肩の状態が続くと今度は肩の後ろが痛くなってきます。
これは、動きが悪くなった肩を無理に動かそうとする際に、肩の後ろにある筋肉を使うからです。
二の腕が痛くなるのも、四十肩・五十肩の後期が多いです。
二の腕の痛み・しびれの原因
四十肩・五十肩で二の腕が痛い時には、関節・筋肉・神経が原因の場合があります。
私が原因を調べる際には、実際にその部分を施術してみて、痛みやしびれが取れるかどうかを検証しています。(例:胸椎を施術⇒二の腕の痛みが取れる⇒二の腕の痛みは胸椎の関節障害が原因)
関節が原因の場合
二の腕の痛みの原因として多いのが、胸椎や肋椎関節、胸肋関節の機能障害です。



胸椎は背骨の関節、肋椎関節・胸肋関節は肋骨の関節です。
胸椎・肋椎骨関節・胸肋関節は、五十肩自体の原因でもありますが、五十肩で肩の関節の動きが悪いことが影響して、これらの関節の機能障害を引き起こしていると考えられます。



関節の動きが悪いと、離れたところに痛みやしびれが出るんですか?



はい、そうなんです。
こういった痛みやしびれを関連通と呼びます。
筋肉が原因の場合
二の腕には、上腕三頭筋という筋肉があります。



上腕三頭筋は肘を伸ばす筋肉です。
上腕三頭筋は、肘を伸ばす筋肉ですが肩甲骨にもくっついているため、肩の動きにも関係します。
上腕三頭筋は、四十肩・五十肩の初期に起こる炎症には直接的には関係しませんが、肩の関節の動きが悪くなる拘縮期に、他の肩の筋肉と共に硬く緊張します。
そして、無理に肩を動かそうとする時に、力が入ってしまいます。
こうした状態を続けていると、上腕三頭筋が疲労し血流が悪くなることで痛みを発することがあります。
神経が原因の場合
二の腕の痛みの関係する神経は、腋窩神経と橈骨神経です。
腋窩神経が原因の場合
腋窩神経が原因の時には、神経の絞扼障害が起こっています。



神経の絞扼障害というのは、神経が筋肉などによって締め付けられてしまい、痛いやしびれを発する障害です。
腋窩神経の絞扼障害は、四十肩・五十肩で起こりやすく、二の腕や肩の前部や後部の広い範囲が痛みます。
また、だるい感じがすることもあります。
原因は、腋窩神経の走行にあります。
腋窩神経は、肩の大円筋・小円筋・上腕三頭筋・三角筋といった筋肉の間を通ります。
四十肩・五十肩の際には、この筋肉が緊張しやすいため、その間を通る腋窩神経も絞扼されてしまうことが多くなります。
橈骨神経が原因の場合
橈骨神経というのは、二の腕を走行する神経です。
橈骨神経は、上腕骨と上腕三頭筋の間を走行するため、上腕三頭筋が緊張することで橈骨神経が締め付けられ痛むことがあります。
また、橈骨神経は、二の腕を走行した後で、肘を通り指にまで達します。
ですから、その走行場所のどこかで、絞扼されたり引っ張られたりすることも多く、その結果二の腕の部分に痛みを発することも多いです。
四十肩・五十肩で二の腕が痛む時の整体での対処法は?
私は四十肩・五十肩で二の腕が痛む時には、まずはじめに、胸椎・肋椎関節・胸肋関節の関節機能障害を解消することから始めます。
私が二の腕の痛みやしびれを解消する際には、検査で一番原因と考えられる個所から施術をしていきます。
痛みやしびれというのは非常に複雑で、いくつもの原因によって引き起こされていることがほとんどです。
ですから、優先順位が高い順番で、ひとつひとつ原因を解消していくことで、結果として二の腕の痛みやしびれが解消されます。
関節の機能障害が解消されているのに痛みやしびれが残る場合には、筋肉や神経に施術を行います。
筋肉では、上腕三頭筋と、その周辺にある三角筋・大円筋・小円筋を緩めます。
こういった筋肉を緩めることで、上腕三頭筋がしっかりと緩むため、二の腕の痛みが改善します。
また、神経に関しましては、腋窩神経の絞扼を改善するために、上腕三頭筋と大円筋と小円筋を緩めます。
そして、橈骨神経が引っ張られていることが多いために、肘や手首を走行する橈骨神経の絞扼を改善します。



四十肩・五十肩自体を改善するためにも、こういったアプローチは必要になります。
セルフケアで出来ることはあるのか?
五十肩の時の二の腕の痛みのセルフケアは、あることはあるのですが、五十肩の経過によっては悪化してしまうことがあります。



五十肩のセルフケアというのは、時期が非常に重要になるため、時期を間違えると逆に悪くなってしまうことがあります。
最近、youtubeなどをみてセルフケアを行い、症状を悪化させてしまう方が多くいらっしゃいます。
特に五十肩は、初期は炎症性で、後に関節拘縮が起こりますので、今自分の五十肩の病態がどの時期にあるのかが分からない時には、セルフケアは行わない方が良いです。
ですから、五十肩の時のセルフケアに関しましては、専門家に病態を判断して頂き、セルフケアの指導して頂くことが大切です。
安全にできるセルフケアとして、肘をテーブルなどに置くというものがあります。
五十肩の二の腕の痛みやしびれは、腕の重さで肩周りの筋肉が疲労することで起こっていることが多く、デスクワークや家で休んでいる時、食事の時などに、肘をテーブルなどの上に置くことで、腕の重さによる肩周りの筋肉の疲労が軽減されます。
人によっては、かなり効果がありますので、やってみてください。
※五十肩自体には効果がありません。