四十肩・五十肩の症状とは?
四十肩・五十肩には3つの病期があります。
そして、病期によって症状が異なります。
五十肩には、痛みが強い時期・関節が硬くなる時期・良くなってくる時期があり、それぞれ症状が異なります。
四十肩・五十肩の3つの病期と症状
四十肩・五十肩には、
・炎症が起こり痛みが強い疼痛期
・炎症が軽減してくるが関節が硬くなってくる拘縮期
・関節の硬さが緩解して良くなってくる緩解期
の3つの病期があります。
疼痛期(痛みが強い時期)
四十肩・五十肩の始めの時期は、多くの場合肩の組織に炎症が起こっています。
炎症が起こっているため、肩を動かした時だけでなく、安静にしていたり(安静時痛)、夜寝ている時(夜間痛)にも肩が痛みます。
安静にしていたり、夜寝ている時にも肩が痛むのは、姿勢によって腕の重さが肩にかかり、炎症の起こっている組織が刺激されるからです。
また、肩の動きが制限されますが、それは主に痛みによる制限です。
肩の関節が硬くなって動かないのではなくて、動かそうと思えば動くけれど、痛いから動かせない状態です。
炎症により痛みが強く出ている疼痛期には、肩の安静が必要になります。
肩を安静にしていると、次第に炎症が軽減していきます。
では、肩の安静とはどんな状態のことをいうのかというと、痛みを伴う動きをしないことと、腕の重さが肩にかからないようにすることです。
腕の重さが肩にかからないよういするには、座っている時にはなるべくひじ掛けに肘をおいたり、肘の下にクッションを置くと良いです。
また、寝ている時には肩の下や肘の下にクッションを入れたり、抱き枕などを使用すると良いです。
拘縮期(関節が硬くなる時期)
拘縮期には、炎症が軽減してくるため、肩の痛みも軽減されてきます。
ですが、今度は肩の組織が硬くなり、肩関節の動きが制限されてきます。
拘縮期の肩関節の制限は、痛みによる制限ではなくて、肩の組織が硬くなったことによる制限です。
肩関節の動きの制限の強さや、動かない方向は、炎症の度合いや炎症部位によって変わります。
拘縮期には、肩関節の動きが悪くなっていきますが、それは炎症が治まり、組織が修復されてきているからです。
ですから、関節の動きが悪くなってきたからといって、無理に関節を動かすと、せっかく修復されてきた組織が壊されて、また炎症が起こってしまうこともあります。
拘縮期は、痛みを伴わない範囲の肩関節の動きをなるべく確保し、関節の動きが悪くなるのを最小限にとどめることが大切です。
緩解期(良くなってくる時期)
緩解期にはいると、痛みもかなり軽減し、肩関節の動きも段々と良くなっていきます。
ですが、組織の修復時に、組織同士がくっついたり、分厚くなったりしているために、肩の動きの制限が残ります。
緩解期には、肩の組織を元に戻すために、肩の関節の運動が必要になります。
緩解期には、段々と肩の動きが良くなってくるために、そのまま放っておいてしまう方がいらっしゃいます。
ですが、多くの場合、放っておいても完全に良くなることは少なく、肩関節の制限が残ってしまいます。
ですから、リハビリ等で、肩関節の運動をしっかりと行い、肩関節の動きを完全に元に戻すことが必要になります。