肩こりは腰痛と共に国民病とも言われています。
なぜこんなにも肩こりの人が多いのでしょうか?
それは、今の日本の生活習慣が、肩こりになりやすいのものになっているからです。
肩こりは、日常生活の中に原因が隠れています。
整体師の観点から、肩こりの原因と解決方法をご説明します。
肩こりの原因について知っておこう
肩こりの原因は、日常生活の中にあります。
デスクワーク
よくデスクワークが肩こりの原因になるといわれますが、デスクワークの何がいけないのでしょうか?
それは、デスクワークの時の作業姿勢です。
デスクワークの時は、手の平を下にして、肘を開き、手を体の前にして作業をします。
この時、体では、肩甲骨が体の外側に引っ張られ、肩の関節は内側に巻いてきます。
そして、肩の筋肉を引っ張り、負担をかけるので、肩こりになります。
この姿勢は巻き肩の姿勢と言います。
また、目の疲れも肩こりの原因になるため、デスクワークは肩こりになりやすい作業と言えます。
目の動きと、頭と首の境目にある後頭下筋という筋肉は連動しています。
目が動けば、後頭下筋は動き、目を固定すれば、後頭下筋は緊張したままになります。
デスクワークでは、目を固定することが多いので、後頭下筋が過緊張状態になりやすいです。
そして、この後頭下筋というのが、他の筋肉に緊張を伝えるので、頭の方に緊張が伝われば頭痛に、肩に伝われば肩こりになります。
車の運転
デスクワークと同様に、車の運転姿勢も肩こりの原因になります。
デスクワークと違うのは、車の運転では、手首や肘を、机や台の上に載せられないという点です。
手首や肘が浮いている状態だと、腕の重さを支える為に、肩や首に負担がかかります。
確かに、デスクワークでは、椅子のひじ掛けや、パソコンのマウスを使う時に肘や手首を支える台があって、楽です。
また、車の運転は、目の疲れと、精神的な緊張(ストレス)が加わるため、肩こりを起こしやすい作業になります。
スマホ操作
デスクワーク・車の運転と来て、一番肩こりにとって良くないのが、スマホ操作です。
もちろんスマホ操作自体が悪いのではなくて、その時の姿勢です。
巻き肩姿勢で、手首や肘が固定されておらず、さらに目の疲れが加わります。
また、スマホを長時間支えて持っていると手首や指に負担がかかります。
スマートフォンを片手で持っていると、画面を押す親指や、スマートフォンを支える小指や薬指に負担がかかります。
そして、スマホの画面を見る時は、斜め下を見るので、首にも多大な負担がかかります。
スマホの見過ぎで、首肩こりや頭痛になってしまうことを、スマホ首と呼びます。
スマホ首というのは、座ったり立ったままスマートフォンを長時間見続けることで、首コリや肩こりになってしまう状態のことです。
一昔前は、ストレートネックという言葉がよく使われました。
スマホ首の人の姿勢は、頭の位置が大分前に出ている姿勢になります。
この姿勢だと、首肩コリだけでなく、頭痛や自律神経の症状(不眠症・息苦しい・めまい等)が起こりやすくなります。
運動不足
運動不足も肩こりの原因になります。
運動不足と聞くと、ジムでの運動や筋トレ、ランニングなどが足りないと思う方もいらっしゃいますが、そうではありません。
では、どんな運動が足りないかというと、体を伸ばす運動と、胸を開く運動です。
肩こりは、肩と体を丸めている姿勢が長すぎることが原因になっているので、その逆の動き・運動が足りません。
体の動きに、大きな偏りが出来てしまっている状態です。
精神的ストレス
肩こりにおきましては、精神的なストレス・緊張の影響が大きいです。
なぜかと言えば、精神的なストレス・緊張があると、自律神経の交感神経が刺激されて、血液の流れが悪くなります。
体を緊張させる自律神経が交感神経・リラックスさせる自律神経が副交感神経です。
また、肩の筋肉や、目の疲れが影響する首の筋肉(後頭下筋)が緊張します。
緊張すると肩に力が入りますね。
冷え
体の冷えも肩こりの原因になります。
女性の方が肩こりが多いのも、女性の方が冷えやすいから、だと考えられます。
冷えというと、足先や手先をイメージする方も多いですが、実は肩もよく冷えます。
特に、寝ている時には、肩が布団から出ていることが多いので、冷えることが多いです。
五十肩などの肩の疾患がある方は、要注意です。
肩こりを改善する方法
上記の原因に対して、肩こりを改善する方法をご紹介します。
同じ姿勢を続けるのはNG
デスクワークや車の運転、スマホ操作でもそうですが、とにかく同じ姿勢を長時間続けることが肩こりには良くないです。
15分おきに姿勢を変えるのがベスト、とおっしゃっている方もいらっしゃいますが、現実的には難しいので、出来れば30分から60分おきに姿勢を変えて、動きましょう。
デスクワークですると良い運動
デスクワークでは、伸びと肩甲骨を寄せる運動をすると良いです。
また、上を向いたり、肘や手首を伸ばしましょう。
可能であれば、30分おきに席を立ちましょう。
車の運転ですると良い運動
車の運転で一番良いのが、車を降りて立ち上がることです。
肩こりの人もそうですが、腰痛や膝痛の方にも必要なことです。
車を停めるのは、めんどくさいのですが、体のことを思えば、必要なことです。
特に、毎日長時間車を運転する方は、疲れが蓄積しますので、こまめに立ち上がりましょう。
スマホ操作ですると良い運動
スマホ操作では、首にかなり負担がかかりますので、上を向いて首の前を伸ばし、首の後ろを休ませる運動が良いです。
また、手の指を良く動かし(小指や薬指も忘れずに)、曲げ伸ばしをしましょう。
運動をする
肩こりで必要な運動は、肩甲骨を内側に寄せる運動です。
デスクワークや車の運転では、肩甲骨が外側に移動して、それにつられて肩の筋肉が引き延ばされてしまいます。
ですから、その逆の動き(肩甲骨を内側に寄せる)が必要になります。
また、筋トレやランニングといった負荷の高い運動は、肩こり改善には必要はありません。
出来るのであれば、良く歩き、階段などを利用するだけで十分です。
肩を温める
日中は、肩を出さない服装をしていれば、冷えることはありません。
肩が冷えるのは寝る時です。
最近では、寝る時に使う肩当てがありますので、利用しましょう。
ホッカイロを利用するのであれば、肩甲骨の間辺りの背骨や、首の付け根辺りの背骨も一緒に温めると良いです。
※必ず服の上から使用して、低温やけどに気をつけましょう。
リラックスする
肩こりには運動も大切ですが、リラックスして休むことも大切です。
理想的には、横になって休めると良いです。
難しければ、目を休める、ひじ掛けにもたれる、上を向く、深呼吸するなど、その場で出来るリラックス方法を行いましょう。
肩こり原因のまとめ
肩こりの原因は日常生活に隠れています。
特にデスクワークや、車の運転、スマホ操作など、同じ姿勢を長時間とっていることが、肩こりの原因になります。
また、運動不足や精神的ストレス、冷えも肩こりの原因になります。
肩こりの解消に大切なのは、同じ姿勢を取り続けないこと。
伸びや、肩甲骨を寄せる運動を良くすると共に、リラックス・休憩の時間をとりましょう。
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