「産後の骨盤矯正」というのは、かなり一般的に知られるようになりました。
ですが、産後の骨盤矯正については、本当に意味のあることなのか?必要なことなのか?といったことが、ハッキリしないままになっています。
確かに、産後の骨盤矯正という言葉は知っているのですが、実際に何をするのか?産後に本当に必要なのかはよくわかりません。
産後の骨盤矯正に関しましては、広告宣伝が先行してしまって、本来の効果や必要性が知られていません。
この記事では、産後の骨盤矯正が本当に意味のある必要なものなのかについてご説明します。
産後の骨盤矯正は意味がないのか?
今現在、産後の骨盤矯正という言葉は、広く知られています。
なぜかと言えば、宣伝広告が多くされているからです。
ですが、産後の骨盤矯正には、宣伝広告による産後の骨盤矯正と、本来の産後の骨盤矯正の二つがあります。
広告宣伝でよく言われている産後の骨盤矯正は、本来の産後の骨盤矯正ではないんですか?
宣伝広告で言われている産後の骨盤矯正には、産後に骨盤矯正を受けてもらう為に、内容を誇張したり、嘘が混じっていたりします。
ですから、本来の産後に必要な骨盤矯正とは、内容が違うことがあります。
なるほど。
宣伝広告で言われている産後の骨盤矯正には、間違った内容があるんですね。
宣伝広告の産後の骨盤矯正と本来の産後の骨盤矯正
宣伝広告で言われている産後の骨盤矯正と、本来の産後の骨盤矯正の違いをご説明します。
宣伝広告の産後の骨盤矯正
宣伝広告の産後の骨盤矯正で言われていることは、以下の2点です。
①産後には骨盤が開く・歪むので、産後の骨盤矯正で骨盤を整える必要がある
②骨盤を整えないと、体形が崩れたり、腰痛の原因になったりする
ですが、この2点は間違っていると私は考えています。
まず、骨盤というのは開いたり歪んだりはしません。
ですから、産後の骨盤矯正で開いた骨盤を閉じたり、歪んだ骨盤を整えることは、そもそも出来ません。
骨盤矯正についてはこちらで詳しくご説明しています。
骨盤が開く・歪むと言われると、骨盤の形が拡がって傾いたりしているのをイメージしてしまいますが、そんなことは起こりません。
それなら、産後に体形が崩れたり、腰痛や体の不調が起こるのは、骨盤が原因ではないんですか?
そうですね。
産後の体系の崩れは、腹筋の問題であったり、筋力の低下や生活が不規則になることが原因だと考えられます。
腰痛や体の不調も、出産時に骨盤内の筋肉や靭帯を傷つけてしまったり、育児の負担によって体のどこかの機能に異常が起こっていることが原因だと考えられます。
〇産後の骨盤の緩みは骨盤矯正では戻せない
妊娠中や産後数か月は、エストロゲン・プロゲステロン・リラキシンというホルモンが分泌されて、骨盤内の靭帯が弛緩すると言われています。
産後の骨盤矯正の中には、緩んでしまった骨盤を整えるといったことも言われています。
ですが、整体などの手技療法では、硬くなってしまった組織を柔らかくすることは出来ても、緩んでしまった組織を元の状態に戻すことは出来ません。
ですから、産後に緩んでしまった骨盤内の靭帯を、産後の骨盤矯正で元に戻すことも出来ません。
緩んだ骨盤内の靭帯を元に戻すには、ホルモンの分泌が元に戻るしかありません。
そして、産後数か月すれば、ホルモンの分泌は、自然と元に戻ります。
本来の産後の骨盤矯正
本来の産後の骨盤矯正というのは、骨盤の動きを正常に戻すことをします。
骨盤というのは、仙骨と左右の腸骨という骨で構成されていて、仙骨はうなずくような動きと、起き上がるような動きをします。
妊娠中の女性の仙骨は、出産に向けてうなずくような動きの方向に動きます。
そして、出産後は元に戻ります。
ですが、産後の女性の中には、この仙骨の動きが元に戻らなくなってしまい、腰痛などが起こる方がいらっしゃいます。
産後の骨盤矯正というのは、本来こういった仙骨の動きが元に戻らなくなってしまっている方に対して行う整体です。
産後の骨盤矯正は受ける必要がないのか?
産後の骨盤矯正は、みんなが受けたほうが良いと思われていますが、そんなことはありません。
上記しましたように、産後の骨盤の動きや靭帯の緩みは、通常数か月すると自然と元に戻ります。
ですから、自然と骨盤の機能が戻った方は、産後の骨盤矯正は必要ありません。
骨盤の機能が元に戻ったかはどのように判断すれば良いですか?
基本的には、腰痛や恥骨の痛みなどのトラブルがなければ、骨盤の機能は元に戻っています。
ですから、産後特にトラブルのない方は、産後の骨盤矯正は必要ありません。
体形の崩れを元に戻すには?
産後には体形の崩れを心配される方がいらっしゃいます。
産後の体系の崩れは、育児の負担や生活習慣の乱れ、妊娠に伴う腹筋のトラブル、出産時の骨盤内の筋肉や靭帯のトラブルが原因になります。
ですから、体形の崩れを元に戻すには、筋トレや運動、食事の管理が必要になります。
出産時のトラブルがある方は、2か月程度は運動やトレーニングは控えましょう。
産後は骨盤よりも手のトラブルに気をつけることが大切
産後の育児では腱鞘炎になりやすいということが最近では知られてきています。
そして、実際に約半数の方が、産後の育児の中で手や指の痛みを経験します。
育児の中で、手にトラブルが起こると、精神的にも肉体的にも大変負担になります。
また、育児をしながらだと、手のトラブルを回復させていくのが大変になります。
ですから、事前に産後は手のトラブルが起きやすいことを知り、予防をすることが大切です。
また、手や指に痛みが出た時には、放っておかずに、対処することも大切です。
産後の腱鞘炎についてはこちらでご説明しています。
産後の骨盤矯正はどんな時に必要か?
・産後の骨盤矯正は、産後数か月して腰痛や恥骨痛が良くならない時に必要になります。
・産後の骨盤は、ホルモンの分泌が元に戻れば、産前の状態に自然に戻りますので、産後の骨盤矯正で元に戻そうとする必要はありません。
・体形を戻したい時には、産後の骨盤矯正ではなくて、筋トレや運動、食事の管理が必要になります。
・産後の育児では、手のトラブルが起こりやすい為、骨盤よりも手のトラブルに気をつけましょう。