四十肩・五十肩というのは、人により病態が様々です。
そして、その中でも痛みがひどく、夜も眠れないという方がいらっしゃいます。
この記事では、四十肩・五十肩の痛みがひどい時の対処法をご説明します。
四十肩・五十肩のひどい痛みの原因
四十肩・五十肩で痛みがひどい時には、炎症が肩の色々な部分に拡がっている可能性があります。
四十肩・五十肩では、肩の関節を包む関節包、クッションの役割をする滑液包、インナーマッスルの腱板といった部分に炎症が拡がることがあります。
特に痛みを敏感に感じやすい肩の組織に炎症が拡がると、痛みが強くなります。
そして、肩の色々な部分に炎症が拡がると、安静にしているのに痛い(安静時痛)、夜寝ている時に痛い(夜間痛)といった状態になり、生活面で大変なことが多くなります。
四十肩・五十肩のひどい痛みの対処法
四十肩・五十肩には、痛みの強い時期・関節が硬くなる時期・良くなってくる病期があります。
痛みがひどい時は、始めの痛みが強い時期(疼痛期)にあたり、この時期を過ぎると関節が硬くなる時期に移行していきます。
ですから、痛みがひどい時は、なるべく早く炎症を抑えていくことが必要になります。
痛みがひどい時期の対処法の基本方針は、なるべく早く炎症を抑えることです。
四十肩・五十肩で痛みがひどい時期は、炎症が強く起こっている疼痛期にあたりますので、対処法の基本方針は、炎症を抑えて痛みを軽減することです。
では、炎症を抑えるためにはどうすれば良いのかというと、まず大切なのが痛みが出る動きや姿勢を避けることです。
そして、この時期に特に注意した方が良いことは、痛いのに無理に肩の関節を動かすことです。
ですが、一方でまったく肩を動かさないのも関節の可動域制限につながってしまうので、痛みの出ない範囲で動かすことは必要になります。
ですから、痛みがひどい時期には、なるべく肩に痛みが出ないように生活をしつつ、肩の関節を痛みの出ない範囲で動かすことが大切です。
痛みがひどい時の対処法
では、具体的に痛みがひどい時の対処法をご説明します。
①病院に行く
まず大切なのは、整形外科に行くことです。
四十肩・五十肩には、整形外科で対処が必要な病態であることがあるために、まず病院に行くことが大切です。
整形外科では病態に応じて、炎症を抑えるために薬が処方されたり、注射を行います。
②クッションなどで肩の負担を減らす
日常生活では、なるべく肩への負担を減らす必要があります。
荷物を持ったり、肩に負担のかかる動作をしないことも大切ですが、実は肩にとっての一番の負担は自分の腕の重さです。
ですから、自分の腕の重さがなるべく肩にかからないようにすることが必要になります。
自分の腕の重さが肩にかからないようにするには、どうしたら良いのですか?
まず、立っている時にはしょうがないのですが、座っている時には、肘掛けに肘を乗っけたり、肘の下にクッションを置くと良いです。
また、横向きに寝ている時には抱き枕を使用したり、仰向けに寝ている時には、肩の下や肘のしたにタオルやクッションを置くと良いです。
なるほど、なるべく肩や肘の下にクッションなどを入れて、隙間を埋めると良いんですね。
③寝ている時に肩や腕を冷やさないこと
四十肩・五十肩で痛みが強い時には、炎症によって筋肉が緊張し、血液の流れが悪くなっています。
特に寝ている時には、体を動かしていないため、より血液の流れが悪くなっています。
そういった状態の時に、肩や腕を冷やすと、さらに血液の流れが悪くなり、痛みがより強くなってしまいます。
ですから、夜寝る時には、長袖を着たり、肩に布団をしっかりかけたりして、なるべく肩や腕を冷やさないようにしましょう。
冷やすのが良くないなら、肩を暖めたほうが良いのですか?
血液の流れのことだけを考えるなら、肩を暖めたほうが良いのですが、痛みのひどい時には炎症が強く起こっているために、暖めると痛みがより強くなる可能性があります。
ですから、積極的に肩を暖めることはおススメしません。
最低限、体を冷やさないようにすることが大切になります。
まとめ
〇痛みがひどい時の基本方針
炎症が強く起こっているため、なるべく痛みが出る動作や姿勢をさけて、炎症を早く抑えること
〇痛みがひどい時の対処法
①整形外科に行き診察を受ける
②肘掛けやクッションを使い、肩への負担を減らす
③特に寝ている時に肩や腕を冷やさないようにする