五十肩の整体における治療順序をご説明します。
五十肩に対する整体
五十肩の治療は様々あります。
炎症の強い急性期は整形外科での薬物療法や注射療法が有効です。
その中で、整体では五十肩に対して、痛みやしびれの除去、関節拘縮の改善を主に行っています。
整体では五十肩の何を改善するのか?
整体では、五十肩の痛みやしびれの除去と、関節拘縮の改善を行っています。
痛みやしびれの除去
五十肩におきましては、初期の炎症が強い時期は痛みが強く、関節拘縮の時期になると痛みとしびれが出てくることが多いです。
五十肩初期の痛みは炎症による痛みで、関節拘縮の時期の痛みとしびれは、筋肉の緊張による血行不良、神経の絞扼、関節可動域制限による組織の挟み込みが原因になっています。
整体で対処が出来るのは、炎症以外の痛みやしびれです。
ですから、初期の炎症が強い時期は整形外科での治療が優先されます。
整体では、炎症が治まってきた時期に起こる血行不良や神経の絞扼を改善します。
関節拘縮の改善
整体では、痛みやしびれの除去の他に、関節拘縮の改善も行います。
関節拘縮というのは、関節や関節周辺の組織が炎症によって器質的な変化(組織が変質)を起こしてしまった状態のことを言います。
関節拘縮を改善することで、肩関節の関節可動域が正常になっていきます。
五十肩の整体における治療順序
整体における五十肩の治療順序をご説明します。
1.肩峰下滑液包の開放
肩峰下滑液包というのは、肩関節にあるクッションです。
このクッションが炎症によって、筋肉などの組織とくっつくと、関節可動域制限や、内圧の変化によって夜間痛などの痛みを引き起こします。

痛みと関節拘縮の両方の観点から、まずはじめに、改善するべき組織です。
2.肩関節内旋の動きの獲得
次に行う必要があるのが、肩関節の内旋の動きの獲得です。



なぜ、内旋の動きを獲得する必要があるのかというと、挙上の動作や、結帯動作をする上で、必要になる動きだからです。
肩関節の内旋の動きを改善するには、肩の後ろの組織の緊張を取り除いたり、組織同士の滑走を改善する必要があります。
肩の後ろの組織の緊張は、関節拘縮だけでなく、痛みやしびれの原因にもなります。
肩関節の内旋の動きが完全に獲得できると、挙上の動きが大部分改善されます。
3・肩関節外旋の動きの獲得
肩関節の内旋の動きが獲得出来た後は、肩関節外旋の動きを獲得する必要があります。



肩関節外旋の動きが獲得できると、手が横方向に上がるようになったり、挙上の動作が最後まで出来るようになります。
肩峰下滑液包が解放され、肩関節の内旋外旋の動きが完全に獲得されると、五十肩が治ったと言える状態になります。