整体の宣伝広告で、「一瞬で良くなる~」といわれることがあります。
ですが、五十肩というのは、整体では一瞬で改善することは出来ず、時間がかかります。
この記事では、五十肩を整体では一瞬で改善させることが出来ない理由をご説明します。
五十肩を整体では一瞬で改善させることが出来ない理由
五十肩を一瞬で改善させることが出来ない一番の理由は、五十肩の病態には炎症が関係しているからです。
五十肩は炎症が起こっている
五十肩というのは、実際には様々な病態があります。
五十肩の原因についてはこちらでご説明しています。
ですが、五十肩の多くは、炎症が関係しています。
肩回りのどこかに炎症が起こって、肩に痛みや関節の可動域制限が起こります。
五十肩の中には、腱板損傷や剥離骨折などの外傷や、インピンジメント症候群などの炎症が関与しない病態も含まれています。
炎症が起こると組織が変化する
肩回りに炎症が起こると、肩回りの組織が変化します。
どのように変化するかというと、組織同士がくっついたり、デコボコしたりという変化です。
この変化によって、肩の関節可動域が制限されたり、肩に痛みが出たりします。
肩回りには炎症が起こりやすい組織がいくつかあります。
代表的なものが、肩と上腕骨の間にある滑液包というクッションの役割をしている組織です。
その他、筋肉の腱であったり、関節包といった組織にも炎症が起こる可能性があります。
変化した組織が元に戻るのには時間がかかる
炎症によって変化してしまった組織が元に戻るには、ある程度の時間がかかります。
それは、切り傷が一瞬では塞がらないのと同じです。
炎症によって肩の組織に起こった変化が元の状態に戻るには、適切な刺激を加えて三ヶ月~半年くらいの時間がかかります。
五十肩はよく、放っておいても自然に良くなると言われます。
確かに五十肩になった方の中には、自然に良くなる方もいらっしゃます。
ですが、一方で、数年間五十肩に悩まされたり、痛みはなくなっても肩の動きが悪いままの方もいらっしゃいます。
なぜかというと、五十肩は炎症が元で起こる疾患であって、炎症による組織の変化が元の状態に回復するには、体に適切な刺激を与える必要があるからです。
ですから、五十肩を何もせずに放っておいても良くならないことがほとんどです。
五十肩を良くするためには、適切な刺激が必要です。
適切な刺激というのは、リハビリや手技療法などで行う運動療法や整体による刺激です。
五十肩は放っておかずにしっかりと対処しましょう。
五十肩の対処法はこちら
一瞬で改善が出来たとされる五十肩のウソ
五十肩は炎症が元になっている疾患なので、一瞬で改善することはありません。
なぜなら、五十肩を改善するには、炎症によって変化してしまった組織を元の状態に戻す必要があるからです。
変化が起こってしまった体の組織が元の状態に戻るためには、数か月の時間が必要です。
一方で、五十肩が一回の整体施術で改善したという話を聞きます。
確かに肩の疾患の方で、一回の整体施術で良くなってしまうことがあります。
ですが、その肩の疾患は五十肩ではなく、多くの場合インピンジメント症候群という疾患です。
インピンジメント症候群は、肩の関節の位置がズレていることが原因で起こる疾患ですので、肩の関節の位置を整体で戻すことで、肩の関節の可動域や痛みが解決します。
肩の関節の位置のズレは、組織の変化が伴わないため、一回の施術でも改善が見込めます。
肩のインピンジメント症候群というのは、肩の関節のスペースが狭くなることで、肩を動かした時に、肩甲骨と上腕骨の間で滑液包や筋肉の腱などが挟まれてしまい、痛みや関節の可動域の制限が起こる疾患のことを言います。
肩の関節は動きが大きいため、その分安定性が低く、関節の位置のズレが起こりやすい状態にあります。
ですから、インピンジメント症候群が起こりやすく、多くの方が意識はしていなくても、多少のインピンジメント症候群が起こっています。
インピンジメント症候群を改善するには、関節の位置を正しい状態に戻す必要があります。