町を歩くと多くの整体院が目に入ります。
ですが、整体と一言でいっても、やり方が違ったり、マッサージとの違いが解らなかったりします。
そこで、このページでは、
- そもそも整体とはどんなものなのか?
- 資格は必要?
- どんな種類があるの?
- マッサージとの違いは?
といった疑問について、現役整体師が詳しく説明します。

整体については、皆さん何となく怪しいイメージがあると思いますので、そのイメージを払拭出来るように、詳しく解説していきますね。
そもそも整体とは?
どんなことをするのが整体?
整体というのは、読んで字のごとく、体を整えることをする手技療法のことを言います。
体を整えるというのは、関節の動きを良くしたり、筋肉や神経の機能を良くしたりすることで、体の不調を改善するということです。
体を整える技術であれば、整体と呼ぶことが出来るので、色々なやり方種類があります。
バキボキと関節を矯正するのが整体?
整体のイメージで一番多いのが、バキボキと音を立てて矯正するというものです。
ですが、実際には音を立てて矯正する技術は、極一部です。
また、実際には関節を矯正するのに、音が鳴るか鳴らないかはあまり関係がありません。



バキッと音がするとスッキリした気がします。



確かに音が鳴るとスッキリする気がしますが、整体の効果と音が鳴るか鳴らないかは関係がありません。
必要があれば音を鳴らすのも良いのですが、パフォーマンスとして音を鳴らす整体をしている方もいらっしゃいますので、注意が必要です。
ボキボキ整体のイメージについてはこちらで詳しく説明しています。


なぜ怪しいイメージがあるのか?
残念ながら、整体には怪しいイメージがあります。
それは、芸能人の方の洗脳騒動に整体師の方が関わっていると報道されたり、テレビなどでバキッと矯正する映像を流したりするからです。
また、私たち整体師側にも責任があり、治すことの出来ない病気を治すことが出来ると謳ったり、根拠のないあいまいな施術をしたりするからです。
ですが、本来整体は、体を整えることの出来る優れた技術です。
出来ること出来ないことをハッキリさせて、病院での医療との線引きをしっかりとすることが大切だと私は考えています。
整体に資格は必要?
整体の仕事をするためには、資格が必要だと思っている方が多いですが、実は整体には決まった資格が必要ありません。



資格がないのに整体が出来るんですか?



はい、出来ます。
ですから、どんな人でも整体師だと名乗れば、整体院を開業出来てしまいます。
決まった資格がないので、民間資格(民間団体が、独自の審査基準を設けて認定する資格)を取ったり、勉強会やセミナーに参加して、技術や知識を学びます。
〇整体院の現状
最近では整体院が増えています。
なぜかと言えば、開業するのに資格が必要ないからです。
ですから、整体院によって施術者の技術や知識に大きな違いがあります。
また、最近では鍼灸師や理学療法士などの国家資格を持った方が、整体院を開業するケースも増えています。
施術者の経験や背景がバラバラなのが今の整体院の現状です。
整体の種類は?
特に決まった資格がないために、色々な種類がある整体ですが、大きく分けると3つに分類されます。
カイロプラクティック・オステオパシー
カイロプラクティック・オステオパシーというのは、アメリカで生まれた手技療法です。
共に、骨格の歪みやズレを解消する技術です。



日本では、カイロプラクティックの方が有名ですね。
カイロプラクティック・オステオパシーと看板を出している院もありますが、整体院として開業して、技術としてカイロプラクティック・オステオパシーを使っている院も多いです。
日本古来の技術
整体の中には、日本古来の武術を治療に応用した技術があります。
武術には、体を壊す殺法と、体を活かす活法があります。
その活法を応用して、整体の施術に取り込んでいます。
リハビリの技術
リハビリというと病院で受けるイメージがありますが、実は整体の中には、リハビリの技術を使ったものも多いです。
関節を動かす運動療法であったり、筋肉の動きによって神経を活性化するPNFと呼ばれる技術であったり、その他多くの技術が整体として使われています。
〇『整体』と言うと皆さんに伝わりやすい
色々な技術がごちゃ混ぜになっている整体ですが、なぜそれぞれの技術の名前を名乗らずに『整体』と言っているのでしょうか?
それは、『整体』という言葉が日本で有名だからです。
簡単に言えば、『整体』というと皆さんに伝わりやすいからです。
ですから、色々な種類や技術があるのに、それを『整体』と一括りにしているんですね。
整体とマッサージの違いは?
整体とマッサージの違いがハッキリと分からないという質問を頂きますが、それには理由があります。
マッサージには2種類ある
実はマッサージには2種類あります。
一つは医療的なマッサージで、もう一つはリラクゼーションのマッサージです。
医療的なマッサージ
マッサージ師には国家資格があり、正式名称は「あん摩マッサージ指圧師」と言います。
専門学校や大学での勉強後に国家試験を受けて、取得することが出来る国家資格です。
この資格により、マッサージを行うのが医療的なマッサージです。
医療的なマッサージは、寝たきりの方への訪問マッサージや、脳血管疾患の後遺症の方へのリハビリとしてのマッサージとして行われています。
リラクゼーションのマッサージ
一方で、マッサージと言うと、ショッピングセンター内にあるマッサージ店や、タイ古式マッサージ、足つぼマッサージなど、リラクゼーションを目的としたマッサージがあります。



このリラクゼーションを目的としたマッサージをするのには、資格が必要ありません。
リラクゼーションのマッサージは、、気持ちよさや癒しを目的としています。
整体と医療的マッサージは同じようなことをする
医療的マッサージは、体の機能を高めるマッサージなので、整体と同じような手技を行います。
ですから、呼び方が違うだけで、整体と医療的マッサージは、やっていること(目的)は同じであるとも言えます。
整体と言いながらリラクゼーションのマッサージをしている整体院がある
整体は体の機能を高めることを目的としていますが、リラクゼーションマッサージは、リラックスしたり癒されたりすることを目的としています。
ですが、整体院の中には、整体と言いながら、実際にはリラクゼーションのマッサージをしているところもあります。



整体は体の機能を高めることが目的ですので、お身体の状態を把握するために検査を行います。
そして、患者さんに説明をして、施術計画を立てて施術を行っていきます。
リラックスを目的としたマッサージとは違います
・整体とリラクゼーションマッサージは、目的が違います。
・整体は体の機能を高めることが目的。リラクゼーションマッサージはリラックス・癒しが目的。
・整体と医療的マッサージは、名称は違いますが、実際には同じ目的で同じような手技を行っています。
「整体院と整骨院の違い」はこちらの記事をご覧ください。


「整体とは?」のまとめ
整体というのは、体の機能を高める為に行われる手技療法のことです。
種類を大きく分けると、カイロプラクティック・オステオパシー、日本古来の技術、リハビリの技術の3つになります。
整体は、医療的なマッサージと目的や施術方法が同じであるため、マッサージとの違いがあまりないように思われますが、リラクゼーションマッサージとは、施術の目的が違います。